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2005/3/18・エア・ドゥ函館―東京線進出・機材はB-767を使用/2004-09-17
 北海道国際航空(株)(エア・ドゥ:札幌市中央区本社、滝澤進代表取締役社長、資本金23億2500万円)は、9月16日に同社本社で記者会見を開き、函館―東京線の新規路線開設を国土交通省に申請したと発表した。就航予定日は2005年3月18日。使用機材はB-767-300型以上を予定しており、今年末から翌年2月にかけ、リース方式で1機を調達する準備に入る。合わせて新千歳―東京線、旭川―東京線もそれぞれ1便ずつ増便する。
 同社は、函館―東京線についても全日空(ANA)との共同運航を希望しており、運賃は、すでに就航している大手2社の普通運賃を下回る価格設定を目指して年末までに決定する。
 今回の新規路線開設は、羽田空港の暫定使用発着枠の再配分措置にともなうもので、9月7日に開かれた有識者によるスロット懇談会の報告による、“新規航空会社の優先分8枠を含む再配分28枠の、新規航空会社への先着順による割当”に対応した結果のもの。
 エア・ドゥは当初、再生計画が終了し、2005年6月に予定している3号機(B-767-200)のB-737への機種転換が終了する2006年以降、B-737を使用して毎年1路線ずつ順次新規路線を開設する予定だったが、スロット懇談会の結果からB-737の調達が間に合わず、新規路線開設への対応措置をB-767を使用して前倒しすることになった。
 同社の滝澤進社長は、
「函館空港の年間利用者は約150万人と、道内3番目の規模。B-767で就航しても十分採算が得られると判断した。函館が力を注いでいる観光振興などで力になり、地域振興に貢献したい」
 とし、続けて、
「旭川線も個人需要を開拓しており、旭川空港の年間利用者も4%ほど増加した。函館でも新たな需要を開拓していきたい」
 と意欲を見せた。
 現在のところ、新規航空への優先分8枠に対してスカイマーク・エアラインズが4枠を申請している。エア・ドゥによる今回の4枠申請により、8枠全て埋まったことになる。このまま新たな申請がなければ無事認可されるが、来年3月末までの就航計画を他の新規航空会社が申請すれば、各路線の公共性などを当局が判断し、割当を決めることとなる。
 今回の函館線に関しては、検討開始が8月中旬であり準備期間が約半年しかない。加えてエア・ドゥが擁する機材はB-767型3機とB-737型1機という体制が当面続くと予想され、B-737導入によるスケールメリットは当分見込めず、“B-767型2機とB-737型若干による新規路線開拓”というエア・ドゥ自身が描いた将来構想とは若干の狂いが出始めている。
 とりあえず当面の課題は、エア・ドゥが地元函館からの支援体制を作れるかどうかと、2006年以降、B-737を使用した路線拡大が早急に進むかどうか。
 滝澤氏は、
「今回の函館線就航は、他の新規路線開設には影響しない」
 と、会見で語っている。まずは函館線就航が無事地元に歓迎されるよう祈りたい。
●北海道国際航空(株)
 札幌市中央区北1西2 オーク札幌ビル
 Tel.011-252-5533
 Fax.011-252-5580
 http://www.airdo21.com/
写真:記者説明を行う滝澤進社長(左)
拝 映輔
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