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Last UP Date:2014-06-29
9/23・道州制シンポジウム「道州制を展望する~危機に立つ北海道の再生に向けて~」開催/2004-09-24
 9月23日、京王プラザホテル札幌にて、日本計画行政学会北海道支部設立20周年記念シンポジウム「道州制を展望する~危機に立つ北海道の再生に向けて~」が開催された。
 シンポジウム実行委員長の原勲未来総研理事長、来賓の高橋はるみ知事の挨拶の後、武部勤衆議が「道州制北海道先行にのぞんで」と題して基調講演。パネルディスカッション「道州制・北海道の未来」では、パネルに内閣府経済財政諮問会議議員の本間正明氏、道州制推進会議座長の宮脇淳北大教授、川口孝太郎栗山町長、道州制道民臨調小委員会委員の吉見宏北大助教授が出席、コーディネーターを道新の江尻司論説副主幹が務めた。
 武部氏は基調講演で、
「道民自体が、生き生きと暮らせる地域づくりには何が必要なのかを考えることが、道州制の本質である」
 と説き、パネルディスカッションでは宮脇氏が、
「道民全体を巻き込んでオープンな議論をすることが、いますぐに必要だ」 と訴えた。
 道州制については、道が先月素案を内閣府に提出したばかり。だがその内容は国と道(州政府)との権限範囲の設計論に終始しており、道民にとってわかりにくいのは確かだ。シンポジウムの参加者の一人は、
「国と道とで延々と討議するのでは、いまのプロ野球のオーナー会議と一緒で、密室での話し合いにしか見えない」
 と言う。また、ある参加者は、
「自立を目指しているものが、なかなか先に進まないというのは、簡単に言えばドン底に落ちている感覚が。まだ乏しいということ。このままでも何とか食えると思っているから、新しい試みに積極的になれないのだろう」
 と言って嘆く。
 道州制先行実施の本質的なメリットとは、地域として経済的に自立する基盤を確保することにある。現に東海地区、関西地区など全国各地で道州制に関する具体的な提言が民間からも積極的に打ち出されている。その理由は、道州制が自立するのに最適なツールであるからにほかならない。
 自立を最も欲し、全国のモデルとして“実験”する立場にある北海道が、「国がデザインを決めなければ進めようがない」というのでは情けない。
 道民としても積極的に議論の場をつくり、自らの手で新しい北海道の形をつくりたい。
●道庁「道州制のページ」
 http://www.pref.hokkaido.jp/skikaku/sk-ssnji/bunken/doushuuseitop.htm
●〈参考〉道州制.com
 http://www.doshusei.com/
写真:パネルディスカッションの様子。
拝 映輔
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