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Last UP Date:2014-06-29
最先端のロボット“morph3”を分解・千葉工大fuRoのロボット解体ライブ・札幌で開催/2004-10-11
 10月11日、札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)で、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発した最先端の人型ロボット“morph3”の実機を解体する「ロボット解体ライブ」が開催された。
 未来ロボット技術研究センター(fuRo)は、千葉工業大学に設立されたロボット技術の研究開発機関。所長の古田貴之工学博士をはじめ、6人のスタッフは、全員まるごと文部科学省の独立行政法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造事業(ERATO)北野共生システムプロジェクト・ロボット開発グループ(morph)から2003年に転籍した。
 今回行われた「ロボット解体ライブ」は、fuRoスタッフのボランティアによって運営されているイベントで、東京や大阪など全国を巡回しており、今回が8回目。今年度最後の開催となった。
 ライブは、古田所長の軽妙なトークとロボット開発の実際の紹介、そして会場の子どもたちをステージに上げて、実際のロボット“morph3”を分解し、手足など各部13ヵ所に設置されたサテライトCPUや足裏センサの状況、背面に登載したメインCPUの状況などを、カバーを外して確認した。
 morph3は、全長38cm、自重2.4kgの2足歩行の人型ロボット。30個のモーターと138個のセンサを登載しており、13個のサテライトCPUと1個のメインCPUによって滑らかな姿勢制御が可能なのが特徴。開発費は約3000万円という。 子どもたちに解体させて良いものか、迷うような“精密機械”ではあるが、fuRoの狙いは、
「ロボットは難しいとか、とても自分たちには考えられないといった“先入観”をなくしてもらい、次世代を担う若い人たちを育てていくこと。そのためには、何と言っても実物に触ってもらうのが一番なんです」(fuRo・先川原正浩室長)。一応morph3には保険もかけてあるので、万一落として壊しても大丈夫なのだそうだ。
 入場定員を大幅に超えて観客が集まったライブは、2回に講演を増やすほどの盛況。“若い”観客からは嬌声が漏れるほどの盛り上がりを見せた。
 fuRoの活動は今後、人型ロボットで得た基礎データをもとに、自動車工学やその他への応用展開も視野に入れていく。すでにfuRoとデザイナーの山中俊治氏が代表を務めるリーディングエッジデザイン(L.E.D)、日産系のデザイン開発企業の(株)クリエイティブボックスの3社によって、8輪の車輪を分散協調制御するコンセプトカー「Hallucigenia」プロジェクトが、2002年よりスタートしている。
 fuRoは、新たなロボット技術・ロボット産業の目指し、今後も企業との連携を積極的に行い、新産業のシーズ育成やニーズ開拓を図っていくという。
●千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)
 〒275-0016
 千葉県習志野市津田沼2丁目17番1号
 Tel.047-478-0567
 Fax.047-478-0568
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写真:上:ロボットを解体する親子連れ。左奥は古田貴之所長 写真:下:ロボット解体に使用されたmorph3
拝 映輔
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