初の「HoPE発ベンチャー」始動・HoPE10月度例会/2004-10-13 |
10月12日、北海道中小企業家同友会産学連携研究会(HoPE)の10月度例会が、北海道大学先端科学技術共同研究センターで開催された。 今回の講師は、函館市にある北海道工業技術センター研究開発部の大坪雅史バイオテクノロジー科主任と、北海道大学大学院国際広報メディア研究科の伊藤直哉助教授、そしてHoPE発ベンチャー第1号として「北のものづくり工房」設立を目指す(株)白石ゴム製作所の千葉武雄社長の計3人。 大坪氏は、同センターで研究開発されている食中毒菌検出法の培養併用“FISH”法(in situ ハイブリタイゼーション法)を紹介。この方法で劇的に変わるのは検査の所要時間であり、検体を培養し、コロニー数をカウントする従来の手法では3~5日かかるが、FISH法を用いることで6~7時間に短縮できるという。また伊藤氏は、北海道における産学連携の特徴と、世界各地の同様の試みとを比較、考察した。 「北のものづくり工房」設立を目指す千葉武雄社長は、同じく発起人となったプラムネットの笹川伸之社長とともに構想や概要を説明、 「思い悩むよりも、作ってしまった方が早いと思い、設立を決意しました。製造業を強化しなければ、北海道に将来はないというのは、出席者全員が共有する認識だと思う。外部の市場からニーズを汲み取り、内部においた学識者などによる運営委員会の知恵を借りながら、道内製造業をネットワーク化・コーディネートして、その構想を実現できる仕組みを何としてもつくりたい。HoPE第1号ベンチャーということもあり、失敗はしたくない。今後も慎重に議論しながら実現したい」(笹川氏) とアピールした。 社長には“言いだしっぺ責任”で、(株)白石ゴム製作所の千葉武雄氏が、運営委には北海道大学先端科学技術共同研究センターの荒磯恒久リエゾン担当教授が入る見込みだ。 また、この工房のモデルとなったのは、東大阪市の異業種交流グループ“ロダン21”だというが、民間主体で設立構想が進んでいるという意味では、官主導で設立された“ロダン21”よりも、もっと活動がアグレッシブになりそうな気配もある。北のものづくり工房が目指すのは、まずは足場に市場がありそうな食品加工機械関連からだという。 伊藤助教授は、他の地域にあって道内産学連携にはいまだ訪れない“ミッシングリンク”が存在すると指摘した。もしかすると、この工房がミッシングリンクを埋め、風穴を空けるかも知れない。 ●北海道中小企業家同友会産学連携研究会HoPE http://www.hokkaido.doyu.jp/hope/
拝 映輔
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