10/29北大・JSTジョイント企画「北大リサーチ&ビジネスパークシンポジウム」開催/2004-10-29 |
10月29日、札幌市内のサンプラザ札幌にて、科学技術振興機構(JST)と北大の共催によるシンポジウム「北大リサーチ&ビジネスパークシンポジウム」が開催された。 最初に中村睦男北大総長、次いで沖村憲樹科学技術振興機構(JST)理事長が挨拶に立ち、来賓の山本邦彦道副知事、南山英雄道経連会長から、 「国際的にも高いレベルの研究活動が行われている北大の知的財産を活用し、具体的なビジネスに展開させるためにも、産学連携に期待している」(山本氏) 「自立した産業構造への転換を目指してこれまで多様な活動を行ってきたが、北大リサーチ&ビジネスパーク(RBP)もその中の一つのモデル。新産業の創出には道内各拠点にRBPを創設し、一丸となって取り組むことが大切だ」(南山氏) と、激励の言葉が寄せられた。 基調講演には文部科学省科学技術・学術政策課の有本建男課長が立ち、「これからの科学技術政策と産学連携のありかた」と題して、キャッチアップ型からフロントランナー型へと遷移してきた日本の産業構造と、その相変化を取り込みきれなかったいままでの科学技術政策を概括し、 「今後は異分野融合の時代になる。その一方で大学の組織だけで全てが行えるわけではない。文化も使命も異なる産業と大学が、いかに有意義な相互交流を行えるかが、異分野融合へのカギを握る」 と締め括った。 パネルディスカッションには前出・有本氏と長田義仁北大副学長、北澤宏一JST理事、大和田勲道経連専務理事、小林董和道経済部長、小砂憲一アミノアップ代表取締役が出席、日大総合科学研究所長の小野田武教授をモデレータに議論が交わされた。 北大RBP構想成立の経緯や意図から始まった議論は、小砂氏が発言した時点で国内の産学連携における具体的課題へと進み、知の活用のためのさまざまなアイデアが展開された。とくに産学連携におけるリエゾン業務の重要性、また、そこに直接関わるコーディネーターの存在意義の重要性が指摘され、 「あらゆる段階で、関与する全ての人間に対してギブ&テイクが成立しているかどうか。これがなければ成果が生まれないし連携も進展しない」(北澤氏)、「実践部隊の意思統一を図る場が必要。まず必要なのは仕組みではなく、場と人である」(小野田氏)などの意見が出された。 産学連携による新産業創出は難しい。だが、その場に関わる人間の資質が整えば、世界に飛躍することも難しいことではない。 その作業の難しさを共通認識とし、さらにその課題を解決する意思を共有したことが、今回のシンポジウム最大の成果といえるだろう。RBPは始まったばかりであり、学のみがRBPの担い手ではないのだ。
写真: 拝 映輔
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