札証活性化目指す「単独上場会社連絡会議」(仮称)・年内メドに創設へ/2004-11-08 |
札幌証券取引所(札証・伊藤義郎理事長)は、札証の単独上場企業を主なメンバーとする連絡組織、札証単独上場会社連絡会議を創設する。 同協議会の目的は、 「97年の金融ビッグバン以降、頻繁に札証の制度改正が行われており、その都度当事者の立場で上場企業の方がたにご説明することが出来なかった。これまでの、あるいはこれからの制度変更や札証のあり方について、上場企業としての意見もあると思う。そういった意見交流を臨機応変に行い、意見を集約する組織が必要と考えて、設立のお願いを理事会に諮ったわけです」(札証・川原良一専務理事) としている。 イメージとしては、札証の会員総会終了後の毎年7月頃に定時会議を開催し、そのほか札証や会議のメンバーなどから会議開催の要請がある都度、役員会で協議して臨時会議を開催していくという運営体制だ。役員はいまのところ会長1人、副会長1人を設置する予定。事務局業務は札証が受けるが、運営は自主運営、役員は互選で決めるという。年内に設立総会を開催し、その場で会長人事や名称その他、詳細を決める。 他市場では、福岡証券取引所の「福証単独上場会社の会」(1999年設立)や名古屋証券取引所の「名証IR懇談会」(2003年設立)など、単独上場企業で組織されたさまざまな懇談会があり、その意味では東証には日本経団連があり、事実上意見集約の機能を負っている。 道内経済界には、 「札証の対応がとにかく遅い。北大経済学部の濱田康行教授を座長に、札証の将来戦略に関する報告書を提出したのが昨年12月。ほぼ1年が経過するが、どれだけの改革がなされたか。このままでは、北海道から証券取引所が消滅するという危機感が拭えない」(キャリアバンク・佐藤良雄社長) と、札証に対する危機感を表明する声が強い。 札証自体にも上場を目指す企業を核としたアンビシャスクラブ(佐藤良雄会長)があり、今年6月には札証改革を目指して構造改革特区を申請、11月22日には大阪証券取引所の米田道生社長を招聘してセミナーを開催するなど、積極的な活動を続けている。 再びアンビシャスクラブの佐藤会長が言う。 「特区申請は、札証の営利活動を認めてもらうこと、(会員)証券会社を数を増やすために、よりハードルの低い取引参加資格を認めてもらうこと、“濱田レポート”にあった地方債などを取引する総合資本市場構想を推進するために、この取引に限り銀行などに参加資格を認めてもらうこと、以上の3点だった。結論から言えば1番目、2番目は現行法で対応可能、3番目は投資サービス法の改正を含めて金融庁・金融審議会で議論するということになった。つまり、特区として認められることはないという判断だ。しかし、これまで札証が出来なかった事業への可能性は開けた」 いままでの札証の意思決定機関は、会員証券会社が主なメンバーとなる理事会であり、上場企業からの提言や意見は反映されにくい構造だった。今回の「単独上場会社連絡会議」には、アンビシャス市場、本則市場を合わせて14社が参加し、さまざまな意見交換を行う見込みだ。 一方、札証の財務構造は、相次ぐ重複上場の廃止や株式相場の低迷による取引不調などが続き、2004年3月期には約2000万円の赤字、2005年3月期は約4000万円の赤字を計上する見込みという。財務構造を立て直すのは喫緊の課題である。 連絡会議には、アンビシャスクラブに増して積極的な活動を期待したい。 ●札幌証券取引所 〒060-0061 札幌市中央区南1西5-14-1 Tel.011-241-6171 Fax.011-251-0840 http://www.tokeidai.co.jp/sse/
写真:札幌証券取引所 拝 映輔
|
|
ニュース一覧
インタビュー一覧
コラム一覧
連載小説一覧
TOPに戻る
|