11/11~11/12・「北海道バイオマスセミナー」滝川市で開催(上)/2004-11-15 |
11月11日、北海道「バイオマス・ニッポン総合戦略」連絡会議、(社)日本有機資源協会(JORA)、そらちエコプロジェクト推進協議会の主催によるセミナー「北海道バイオマスセミナー~多様なバイオマスの利活用とその積極的な取組み~」が、滝川市内のホテル三浦華園で開催された。 開会に先だって、農林水産省、JORA、(社)地域資源循環技術センター、バイオマス活用協議会が主催する「平成16年度バイオマス利活用優良表彰」北海道ブロック表彰式が行われ、生分解性プラスチック製の栽培ネットを用いて産業廃棄物の増加を抑制している帯広市川西長いも生産組合(帯広市・大村英明組合長)、生ゴミをメタン発酵させたバイオガスで発電事業を行い、残滓を堆肥として農地還元している中空知衛生施設組合(滝川市・田村弘組合長)、家庭生ゴミや屎尿汚泥を堆肥化し、JAを通じて農家に販売している富良野地区環境衛生組合(富良野市・平子正秀組合長)の3者が、それぞれ(社)日本有機資源協会会長賞を受賞した。 セミナーは、農林水産省農村振興局農村政策課の岩尾和彦課長補佐が「バイオマス・ニッポン総合戦略の推進と最近の動きについて」と題して基調講演を行った。 続いて、NPO北海道新エネルギー普及促進協会の大友詔雄理事長(北大助手)が「未利用木質系バイオマスの利用の現状と課題」について、(財)北海道科学技術総合振興センター(NOASTEC)の佐野嘉祐アドバイザー(元・北大教授)が「HBS法による木質系バイオマスのマテリアル利用」について、慶應義塾大(院)政策メディア研究科の金谷年展助教授が「新たなるエネルギー社会を見据えたバイオマス利活用の方向性」について、北大(院)工学研究科の谷川昇助教授が「北海道中空知地域における生ゴミバイオガス化の取組み」について、それぞれ事例報告を行った。 岩尾氏は基調講演で、 「地域ごとに薄く、分散的に存在しているバイオマス資源を有効利用するには、情報の共有と連携が不可欠。積極的に活用を目指す自治体はバイオマスタウンとして認定しようと考えており、公募しているが、いまのところ応募がない状態。京都議定書で定められた日本のCO2削減目標1億6500万tのうち、自治体レベルでのバイオマス活用によって900万tを削減しようと考えている。積極的な応募をお願いしたい」 と、バイオマスタウン構想について解説、大友氏は、間伐材や枝打後の処理物といった林業廃棄物について、効率的な運搬手段として近年開発された「バインダ」システムを紹介した。佐野氏は、製紙工程におけるエネルギー消費を大幅に減らす製紙法としてHBS法を紹介し、谷川氏は、滝川市に2003年設置された生ゴミのバイオガス化施設「リサイクリーン」を紹介した。 田村弘滝川市長は挨拶に立ち、 「地方の小都市である滝川で本格的なセミナーを開催すると聞き、多少の不安はあったが、出席者330人と定員を超える入場者に参加頂き、感謝している。リサイクル施設の建設には、市役所職員一丸となって、年間400回を超す懇談会を地域住民と行ってきた。本格的なバイオマス社会の到来を招くのは皆さんの熱意です」 と、感謝の意を表した。 滝川をはじめとする空知地区は、農業が基幹産業となっており、バイオマス資源の量は少なくない。それを活用しようとするアイデアが数多く提出されたセミナーとなった。
写真:上:パネルディスカッションの様子。左より大友詔雄氏、佐野嘉祐氏、金井年展氏、谷川昇氏 写真:下:上段左より大村英明氏、中政雄滝川市収入役、平子正秀氏 下段左より田村弘氏、岩尾和彦氏、宇井勝昭JORA専務理事 拝 映輔
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