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Last UP Date:2014-06-29
写真プレート加工のディクル工房(旭川市)各プリンタメーカー製インク対応薬剤を開発へ/2004-11-24
 写真やデジタルカメラ画像などのプリントアウトを樹脂に転写し、半永久的に保存出来る「ディクルプレート」へと加工している写真化学研究所ディクル工房(旭川市、清水次幸代表)は、特定の1社のプリンタインクに最適化していた転写用薬剤を、各種プリンタメーカーのインクでも最適に転写できるよう開発を始めた。
 ディクル工房の転写システムは、代表の清水次幸氏が旭川工業高校の教員だった1992年、同校の工業クラブメンバーとともに発明し、特許も取得した独自技術。顔料系インクであれば樹脂の種類を問わず、写真はもとより、プリンタ出力紙であれば文字やイラストでも転写が可能というものだ。今夏からは代理店業務の募集も行っており、現在旭川市内に製作代理店1社と、道内一円に販売代理店数社を持っている。
「転写作業を行ってもらう製作代理店には、プリンタや転写装置など、百万円以上の投資が必要になります。そういった事情から、製作代行してくれる企業はそれほど増えないと考えています。一方の販売代理店は、注文の取り次ぎなので比較的取り組みやすいためか、少しずつ増えているという現状です」
 と、清水代表は言う。ディクルに寄せられる受注のうち、最大のものは文字データを扱う樹脂製表札であり、毎日数件の作業が入ってくるという。これも、「インクで印刷してあれば内容は問わない」というディクルプレートならではの現象かも知れない。
 各プリンタメーカー製インクへの対応は、最近行った実験から思いついたと清水氏はいう。
「工房ではあるメーカーのプリンタを利用していたので、それに最適化した薬剤を用いていたのですが、違うメーカーのプリンタを使用してみると、意外と発色が良い。ただ、オレンジが散ってしまうため、それを改良しなければならないと考えたんです」
 理論的には、薬剤の配合を調整するだけで、どんなメーカーのインクにも対応が可能と清水氏は予測している。これが開発されれば、製作代理店業務を行うことができる企業の幅も広がるはずだ。
●写真化学研究所 ディクル工房
 Tel.& Fax.0166-36-3225
 http://www1.odn.ne.jp/aad05660/
 
写真:上:清水次幸氏。後景の写真はディクルプレート 写真:下:ディクルプレート。写真や説明パネル、案内表示板など多彩なソリューションを誇る
拝 映輔
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