江別市でスターリングエンジンの実験開始・スターリングエンジン研究会初会合/2004-12-13 |
12月10日、NPO法人北海道新エネルギー普及促進協会(大友詔雄理事長)の研究部会、スターリングエンジン研究会(大田幸雄会長・北大院(工)教授)が、江別市内で初会合を開いた。 同NPOでは、9月に札幌市内でスターリングエンジンに関する国際セミナー「バイオマスにおけるスターリングエンジンの可能性」を主催しており、スターリングエンジンの普及に賛同した出席者の中から今回の研究会を組織、準備作業を進めていた。 スターリングエンジンは19世紀初頭、蒸気機関に先がけて発明されたエンジン。静粛性にとみ、作動流体を密閉して運動するため燃料を問わず、必要なのは熱源のみという特徴を持つ。機構が複雑であり、調整が難しいため、ほかの外燃機関・内燃機関に主流の座を明け渡していたが、近年では機械工作技術の発達と、排ガス問題の顕在化やコ・ジェネレーションの普及によって用途が拡大、潜水艦用動力源や宇宙空間用動力源、コ・ジェネ電源として実用化されている。 「私が学生の頃、スターリングエンジンは“夢のエンジン”とされ、その能力が紹介されると同時に“一般のエンジニアが触れてはいけない存在”とされてきました。近年ヨーロッパでは、そのスターリングエンジンに注目が集まっており、実用化研究の国際プロジェクトも走っています。もし、実用化が現実のものとなれば、バイオマスが豊富で熱が大量に必要とされる北海道にとって、エネルギー供給の根本を変えてしまうインパクトがある。幸い、先般のセミナーで講師を務めた庄内エコ・プランニングの小島博氏から、試作試験に使用したスターリングエンジンを提供して頂けるという機会があり、今回の会合となりました」 と、大友詔雄氏は語る。 同研究会では、山形県内のNPO法人、庄内エコ・プランニングよりスターリングエンジンとボイラーシステムの提供を受け、すでに草野作工(株)敷地内に搬入を終えている。今回の会合は、搬入したスターリングエンジンの確認作業と、今後の実験予定を話し合うために開催された。今後は、架台製作と設置作業を終えて調整の後、木質バイオマスを燃料としたボイラー熱や工場排熱など、各種の熱源による運転実験に取り組む。その後もモデル製作や実験研究を進める予定だ。 なお、同研究会では現在、会員を募集している。入会資格はスターリングエンジンに興味を持つ法人および個人。会費は法人年会費1万円、個人年会費2000円、学生は1000円。 また、先般開催されたスターリングエンジンに関する国際セミナー「バイオマスにおけるスターリングエンジンの可能性」で頒布された資料集、「ヨーロッパ国際スターリングフォーラム2004・論文翻訳集」も、NEPAで有償頒布(1冊一般5000円/学生2000円)している。 ●NPO北海道新エネルギー普及促進協会(NEPA) 〒060-0004 札幌市中央区北4西16 第一ビル Tel.011-616-3358 Fax.011-644-7335 http://www.hkd-enekyo.npo-jp.net/
写真:上:江別市内に搬入されたスターリングエンジン 写真:下:NEPAが頒布している資料集 拝 映輔
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