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Last UP Date:2014-06-29
JR北海道の「デュアル・モード・ビークル」(DMV)冬季走行試験開始・JR日高線とR235を3月末まで往復/2004-12-14
 道路とレールを自在に行き来できる新型交通システム「デュアル・モード・ビークル」(DMV)。
 DMVは、車両前後にレール用のガイド輪を備え、ゴムタイヤで道路とレールの双方を走行する。道路とレールのモードチェンジに約10秒と、極めて少ない時間で可能になっているのが特徴の新型車両だ。北海道旅客鉄道(株)(JR北海道、札幌市中央区本社、小池明夫代表取締役社長)では、1月にDMV試験車を完成させ、6~8月にかけてJR札沼線(石狩月形―晩生内間)で夏季走行試験を行ってきた。
 今回は、夏季走行試験で得たデータにもとづいて改良を加えたDMV試験車の耐寒耐雪性能や、急勾配(20‰以上)・急曲線(R300m以下)での走行性能、目標速度(70km/h)での走行確認を行うため、12月13日から2005年3月31日までの期間、JR日高線(様似―浦河間・静内―蓬栄間)で1日約4回の走行試験を行う。様似―浦河間では主に耐寒性能等、静内―蓬栄間では主に耐雪性能を測る。積雪が得られない場合は、改めて実験線区を設定する予定という。
 12月13日にJR苗穂工場からJR様似駅に回送されたDMV試験車を使い、14日の試験初日は、様似―浦河間の往路をJR日高線のレール上を走り、復路は国道235号の道路上を走る形で行われた。
「低温下で摩擦係数の下がったレールに対して、タイヤが駆動力をしっかり伝えることができるか、積雪状態で車両が浮き上がったりしないか等、確認しておきたいことはたくさんあります。そのため今回は、カメラを前後ガイド輪用に2台設置して走行試験を行います。今後は、今回のデータを基礎にDMVプロトタイプを製作し、連結システムや制御システムを開発していきます。実用段階に至るのは約2年後の予定です」
 と、同社鉄道技術本部技術開発部の難波寿雄主幹は語る。
 改良が加えられたDMV試験車のポイントは、モードチェンジの際にレールにガイド輪を落とし込むガイドローラーがなくなった点。そのためガイドシステムは線路上のどのような場所でも構築できるようになり、モードチェンジに要する時間も約15秒から約10秒に短縮された。
 初回の走行試験は9:30から行われ、様似―浦河間を約20分、最大速度約60km/hでレール上を走破、まずは予定通りの好調なスタートを切った。
 ロード/レールシステムは、世界各国で開発されてきた鉄道の可能性を広げる技術だが、過去の例では、道路からレールに乗るまで(オンレール)に約5~15分と長い時間がかかっていた。DMVでは油圧駆動と舗装されたガイドシステムによるモードインターチェンジや、ゴムタイヤへの負担を低減する輪重制御システムなど、数々の新技術によって課題をクリアし、素早いオンレールとレール移動を可能にしている。バスと鉄道を融合するシステムとして、実用化に最も近い世界初の新技術。その開発が北海道で行われたことになる。
●北海道旅客鉄道(株)
 〒060-8644
 札幌市中央区北11西15
 http://www.jrhokkaido.co.jp/
写真:上:日産シビリアンがベースのDMV試験車によるモードチェンジ(オンレール)の様子。 写真:中:レール走行の様子(左)と路上走行の様子(右) 写真:下左:難波寿雄氏 写真:下右:DMVのガイドシステム
拝 映輔
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