札証単独上場会社連絡会設立総会・会長に富山憲一氏(札幌通運(株)会長)を選出/2004-12-22 |
12月22日、札幌証券取引所(伊藤義郎理事長・(株)伊藤組社長)は、単独上場企業14社のトップで構成する「札幌証券取引所単独上場会社連絡会」を創設し、第1回の会合となる設立総会を開催した。 同連絡会は、札証上場企業が行う四半期財務・業績開示、あるいは取引制度の変更など、市場運営に重要な変更事項が発生したときに、札証が単独上場企業に説明したり、企業側からの要請に応じて意見交換の場などを設けるもの。年1回、毎年7月に定時会議を開催し、必要に応じて臨時会議を開くことができる。 名証や福証などには目的こそ違え、同種の組織があるが、札証として単独上場企業による定期的な会合を行う組織は初めて。 創立総会では、会長として本則市場上場する札幌通運(株)の富山憲一会長が選出され、副会長にはアンビシャス市場のキャリアバンク(株)佐藤良雄社長が就いた。 伊藤理事長は、 「株式の売買が東証に一極集中し、各地方証取の売買高が減少、これを理由に重複上場企業の上場廃止が相次いでいる。今後、連絡会で札証の重要事項を報告、説明するとともに各単独上場企業から提言を頂き、意見交換を通じて意思疎通を図っていきたい」 と挨拶。 富山会長は、 「古くから上場している当社も恩返しのつもりで活動する。全員の知恵を絞り、北海道経済活性化に寄与したい」 と語り、佐藤副会長は、 「アンビシャス上場を目指すアンビシャスクラブは、正会員237社、サポーター121社にまで発展している。札証の活性化には伊藤達也金融担当相からもエールを頂いている。札証の今後に力を注ぎたい」 と抱負を述べた。 この連絡会は、重要事項の説明のためだけに開催されるわけではない。参加した各企業トップからも、「北海道経済の活性化が最重要課題で、どれだけ有効なアイデアをここから生み出せるかがカギ」「いままでこういった組織がなかったことが不自然だった」という焦燥の声が聞こえた。 当面の課題は、濱田康行北大教授を座長にまとめられ、昨年末に報告された「札証未来戦略」の実践プランを練り上げること。とても年1回開催などと、悠長なことを言っていられる状態ではない。 ちなみに同日開催された札証理事会では、6社目の特定正会員として三田証券(株)(東京都中央区本社、三田邦博取締役社長、資本金5億円)の加入が承認された。同社は東証に取引資格を持っていたが、最近IPO業務に注力しており、今後は機動性の高いアンビシャスにターゲットを絞って上場支援活動を行っていくと予想されている。 単独上場企業や証券会社からは、札証の改革の行方に期待と注目が集まっている。その一方で、新規上場がなかなか出ないのは、上場に向かう企業自体が道内に少ないことと、主幹事証券会社や企業トップが札証上場を敬遠するという傾向が基底にある。直近で(12月21日)道内から上場を果たしたウェルネット(株)(札幌市厚別区本社、柳本隆志代表取締役社長)も、ジャスダックを選択し、16万円の公募価格に対して45万円の初値をつけている。 最後に必要なのは、やはり札証に対する道内企業の熱意と周辺からの信頼感。消滅してから嘆くのは、「たくぎん」で終わりにしたい。
写真:設立総会の様子 拝 映輔
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