道内2機目・市民出資の風力発電・NPO北海道グリーンファンド「石狩市民風車」完成/2005-01-26 |
1月26日、NPO法人北海道グリーンファンド(事務局・札幌市中央区、杉山さかゑ理事長)が建設を進めていた風力発電施設「石狩市民風車」が、石狩川放水路横に据付を完了した。 NPO法人北海道グリーンファンドが目指しているのは、市民出資による自然エネルギーの普及。市民から風車建設のための出資を公募し、15~20年間の長期的な事業スキームを描いて売電し、収益を分配金として出資者に還元していく。この手法によって、浜頓別町に第1号の市民風車「『はまかぜ』ちゃん」を建設、今回の「石狩市民風車」は、道内で2機目にあたる。 北海道は土地が安価で広大、風況に恵まれた場所が多いなどの好条件が揃っており、現在、道内には約300機の風車が稼動し、総計約25万kwの電力を生産している。 国内ではRPS法が2003年に施行され、各ブロック電力会社に自然エネルギーにより発電された電力の利用が義務付けられたが、北海道電力の場合は豊富な風力発電による電力を背景に基準をクリアしており、むしろ周波数安定性や電圧など電力の品質維持のため、風力発電電力の買電には難色を示している状態だ。 グリーンファンド側では、 「電力の安定供給が重要なのは理解しているが、欧州では高い割合で風力発電を採用しているのと比べると、もう少し努力できるのではないかと思う。国内規模で見ると、まだまだ風力発電を開発したいという地域は多い。当面は本州地区にも市民風車のノウハウを提供し、少しずつ“市民が造る電力”を普及させていきたい。すでに秋田県天王町に市民風車を稼動させており、青森県の市民風車建設にも支援している。地域住民参加による自然エネルギーの活用は今後、ますます必要になるはず」 としている。 今回の風車はデンマーク製、3枚ブレードで、発電機の能力は最大1650kw。約3億2000万円の事業費をかけて建設され、いまのところ道内最大である。タワー高は約78mあり、札幌全日空ホテルにほぼ匹敵する。今後は石狩市在住の小学生から愛称公募した中から愛称を決定し、初夏には試運転を終えてお披露目となる。 「石狩市民風車」より約1km下流側には、もう1機、同規模の風力発電機が建設されている。こちらは北電が設けた「自治体枠」当選案件であり、石狩市を通じて売電する。こちらにも、グリーンファンドの「市民風車」のスキームが活用されている。 ●NPO北海道グリーンファンド 〒060-0061 札幌市中央区南1西7 岩倉ビル3F Tel.011-280-1870 Fax.011-280-1871 http://www.h-greenfund.jp/
写真:上・下:石狩市民風車 拝 映輔
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