発行:Funahasi.Com & 北海道経済産業新聞運営委員会
Last UP Date:2014-06-29
2/5~6・「IWAMIZAWAドカ雪まつり」開催/2005-02-04
2月5日(土)、6日(日)に第15回「IWAMIZAWAドカ雪まつり」(実行委員長/西方洋昭氏)が岩見沢駅東市民広場公園で開催される。
市内の青年会議所商工会議所青年部、岩見沢二世会、岩見沢青年団体協議会の青年4団体が実行委員会をつくり、観光協会主催行事として昨年10月から企画されてきた「ドカ雪まつり」は、「彩花まつり」、「百餅まつり」と並んで「岩見沢の3大祭り」と言われており、その中でも若者の祭りとして位置づけられている。実行委員会では毎年、参加する若者達の考えや発想などを取り入れ、新しい取り組みを目指しているという。
今年は「ドカ雪横丁」をつくり屋台も出店、5日(土)には、岩見沢名物のキジ鍋も1000食無料で配られる予定だ。また雪像も12基ほど予定している。目玉はなんといってもノリ養殖用の網でつくられたイルミネーションのトンネルだ。ノリ網20枚に1万球の小さな電球を取り付け、長さ60mの光り輝くロマンティックな空間を演出した。
 このイルミネーションのトンネルに使われている網は、愛知県三河湾沿岸部で使い古されたノリ養殖用の網。つまり廃棄物として捨てられてしまう網を再利用して作られた。三河湾では毎年大量のノリ網が廃棄されている。愛知県西尾市のNPO法人『エコ・コミュニティー研究会』(石川孔明代表理事)はそこに着眼し、捨てられてしまう大量の網の再利用を試みている。現地では網を回収後破れを繕うなどして再生し、山間部の農家などで害獣避けなどに使われているという。
実行委員長の西方氏はこう語る。
「今回、ドカ雪まつりではこの網を応用してイルミネーションを取り付けてみましたが、予想を遥かに越える美しい仕上がりとなりました。また、今までは電球を木に取り付けるため、男性にしか出来ない仕事でしたが女性にも参加いただけるようになり、女性の活躍の場を広げることも出来ました。また、低価格の再生ノリ網を使うことにより、予算も抑えることが出来ました。実は昨年の11月から私が代表理事を務めている、NPO法人『薔薇香る癒しのまち岩見沢』でもその網を仕入れ、リンゴ園の害獣防除用ネットとして利用しています。効果はすぐに表れました。この網を取り付けるまでは針金で柵を作っていたんですが、シカはその針金をすり抜けて入り、園内を荒らしていました。中古のノリ網は格安の上効果的で、この網を張り巡らせてからは中に侵入されなくなり、農家の方にもたいへん喜ばれております」
 また、西方氏は今後もこの網を活用した様々な利用法を考えている。
「農家での鳥よけ、スキー場や工事現場での安全用フェンスネットとしての使い道、広場でのドッグラン用の囲いやガーデニングにも生かしたいと考えております。北海道と愛知県では場所も離れており、気候も全く違いますが、お互いの地域情報を交換することによりそれぞれの地域に根ざした役立つ情報交換が出来るのだとわかりました。一地域ではなかなか解決できなかった課題も広域で取り組むことにより良いアイディアが生まれ、どんどん素晴らしい方向性が見出せるようになります。これからはもっと幅広く日本全国でこのような情報を連携し地域を越えたつながりを持つことが大切だと感じております。そして何よりも、ただの網がきらめくイルミネーションの空間を作りだすという分野を越えた使い方が出来たことをいちばん面白く思います」
 北海道でも特に雪の多い岩見沢では、冬場は市民もなかなか外出を控えがち。イルミネーションなどで駅前を美しく飾ることによって、岩見沢市民を中心市街地に流入させることができるようになる。
「ドカ雪まつり」では、岩見沢市民が動くことによって市に生まれる『経済効果』と、イルミネーションによる市民のための『癒し』を実現し、岩見沢市を活気づけていくことを目指しているわけだ。
 西方氏は、
「北海道の方々はもちろん、ぜひ愛知県や全国の方々にも、廃棄物のノリ網がこんなにきれいな形で生かされていることを観にきて頂きたいですね」
 と笑顔で語っている。
写真:上:三河湾の再生ノリ網を利用したイルミネーション 写真:下:西方洋昭氏 Photo by N.Fujino
ふじのなみ
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