第56回さっぽろ雪まつり閉幕・真駒内会場は今年で終幕/2005-02-14 |
2月13日、第56回「さっぽろ雪まつり」が閉幕した。大通、真駒内、すすきのの3会場に7日間で約219万人の観光客が訪れた。また、40年間第2会場として親しまれ、今回で閉鎖される真駒内会場には約43万人が訪れ、最後を惜しんだ。 真駒内会場は、1960年代に自衛隊スノーフェスティバルとして開催されてきたが、1965年(第16回開催)より正式な会場として登録され、それ以降は大雪像に設置した滑り台やミニSLなど、「子供が楽しめる雪まつり会場」として札幌市民に親しまれてきた。だが、昨年12月に新・防衛大綱が策定されたことで真駒内駐屯地の第11師団が、7500人から4000人へと規模縮小し、旅団化することが決定。民生協力の一環として行ってきた雪まつりへの協力も規模縮小せざるを得なくなり、2006年以降の真駒内会場の開催の中止を決定したという経緯がある。 自衛隊は大通会場での大雪像設営についても、翌年からの協力規模縮小を検討しており、札幌市や関係者にとっては打撃。2006年(第57回開催)からの会場選定や大雪像の設営体制の確保など、さっぽろ雪まつり実行委は頭の痛い問題を抱えるに至っている。 真駒内会場廃止の理由は、裏面では一昨年、イラクに派遣された第11師団に対して上田文雄札幌市長が「派遣反対」を唱えたことによる感情のもつれがあるとされているが、基本的には共産体制の崩壊によって“北方の脅威”が薄れ、自衛隊の編成に変化が生じたことが最大の理由だ。 そもそも自衛隊が雪像制作に協力体制を敷き始めたのは1955年(第6回開催)から。地元中高生が雪像6基を制作し、さっぽろ雪まつりが1950年に創設されて以来、自衛隊は“民生協力”として一貫して協力、最盛期には大通・真駒内両会場の大雪像約10基を制作してきた。 市民のために雪像を作り続けた自衛隊と、それに頼り切ってきた札幌市民との組み合せで続いてきたさっぽろ雪まつり。札幌市は一部ボランティア団体などに雪像制作を依頼し、真駒内会場の代替開催案も、大通会場の一部拡充などを軸に検討を進めている。とはいえ、過去に蓄積した膨大なノウハウは自衛隊が持ち、大雪像の制作体制や基盤となる雪輸送の確保など、解決すべき課題は多く残っている。 2006年に開催されるさっぽろ雪まつりは、一体どのような形で行われるのだろうか。 ●さっぽろ雪まつり実行委員会 http://www.snowfes.com/
写真:今年で廃止される真駒内会場。雪像は韓国の「水原華城」 拝 映輔
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