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Last UP Date:2014-06-29
3/14・みちみらい倶楽部セミナー第9回「小樽GP」/2005-03-15
 3月14日、北海道みちとくらしと未来のネットワーク委員会(michi-mirai倶楽部)が主催する「みちみらい倶楽部セミナー」が、ホワイトキューブ札幌にて開催された。今回は第9回開催で、テーマは「小樽グランプリ」。
 講師には和田丈夫弁護士と、北海道小樽グランプリ推進協議会理事長の木下修(株)木下合金社長が立ち、小樽グランプリの発想の経緯と現状、開催に向けての構想が語られた。
 そもそも、小樽という地域は北海道の鉄道発祥の地である手宮線や水上交通の象徴である小樽運河、コンクリート構造物の嚆矢である小樽港北防波堤など、交通にまつわる文化的遺産が少なくない。また、手宮線、小樽運河など、市民運動による保存の声と再開発の声が、常に錯綜してきた場所でもある。「ここで公道レースをしてみては」との意見を発したのは、同ネットワーク委員の長谷川岳氏(YOSAKOIソーラン実行委員会専務理事)。発言当初はジョークの類いとされかけたが、その後の議論の盛りあがりと、地元小樽市内に、この提案を受け入れた人たちがおり、急速に現実味を帯びてきたというわけだ。
 木下氏は言う。
「10年後にF1レースを開催しようと考えていたが、これは国内でもすでに行われており、かなりの難題。FIAモータースポーツ評議会の開催レース内容を見ていると、最初はとくにF1にこだわる必要もなさそうだ。じつは今、ターゲットにしようと考えているのがエタノール燃料車などを出場させるレギュレーションの“チャンプカー”レース。今年3月には、チャンプカーのオーナーが私どものウェブサイトを見て、突然小樽を訪問してくれたこともある。まずこの開催を目標にしたい」
 小樽の観光客入り込み数は、1999年の年間約1000万人をピークに減少傾向を続けており、現在は年間約800万人ほど。公道レースを開催することができれば、この減少傾向に歯止めをかけ、あるいは逆転を起こすことも可能と、同協議会では睨んでいる。
 いまのところは、小樽市内の複合商業施設、ウイングベイ小樽で電機自動車の展示公開を行うなどの広報活動と、年内に400mほどの直線道路を使用した電気自動車レースを開催し、ノウハウの蓄積を行う予定だ。
 公道レースの開催は、発想だけで単純に進むわけではない。道路交通法や道路法、消防法など様々な法令によって制限される道路を、どうやってレースが可能な状態にするかは、いまだ公道レースが行われていない国内での、最大の課題とも言える。
 小樽GPは、昨年3月、内閣府の地域再生構想にも認定されている。特区による規制緩和を駆使し、地域のコンセンサスを得て、是非実現してもらいたい。
●北海道小樽グランプリ推進協議会
 小樽市長橋2-9-5
 Tel.0134-34-2666
 Fax.0134-25-3398
 http://www.chinika.co.jp/otarugp.htm
写真:フリーディスカッションの様子。左より和田丈夫氏、五十嵐日出夫同委員会委員長、木下修氏
拝 映輔
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