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Last UP Date:2014-06-29
第1回札幌医科大学「産学連携フォーラム」in赤れんが・新産業創出に医大の研究シーズを/2005-03-26
 3月25日、道庁赤レンガにて「第1回札幌医科大学産学連携フォーラム~札幌医科大学の研究シーズによる新産業の創出を目指して~」が開催された。
 主催者として札幌医科大学(札医大)の今井浩三学長が挨拶に立ち、
「札医大の卒業生は、8割以上が道内に勤務医や開業医として留まっており、地域密着度は他に誇れるところ。研究活動も活発であり、研究助成金などの外部資金導入では、職員1人当たりで全国717大学中13位という実績を示している。今回、フロンティアスピリットの象徴である赤レンガで産学連携に向けたフォーラムを行うことは、本学にとっての誇り」
 と語り、同じく主催の道経済部からは小林薫和部長が、
「最大の課題は地域経済の振興。近年北海道では、スポーツの分野で駒大苫小牧高の甲子園優勝や日本ハムファイターズの札幌移転など、元気づけられる出来事が多いが、札医大の地域活動の活発さにも、同様の期待感がある。大学発ベンチャーもすでに4社あり、この各社にも、早く地域経済の中堅として活躍してもらえるよう期待したい」
 と、挨拶した。
 次いで、札医大医学部長の佐藤昇志教授が、「道立札幌医科大学の研究シーズと地域経済への貢献」と題して基調講演を行い、知のクラスターとともに人材のクラスターが集積している札医大の特質と、経済発展のためのシーズへと育成するためには、なお一層の行政からの支援が必要と訴えた。
 プレゼンテーションでは、まず札医大産学連携機能検討委員長の濱田洋文医学部教授が壇上に立ち、サイトカイン遺伝子導入にによる癌に対するワクチン治療の現状と、ファイバー変異型アデノウイルスを用いた組織選択的遺伝子導入の研究を紹介、併せてAng-1遺伝子を用いた血管新生遺伝子治療や幹細胞(MSC)を用いた造血前駆細胞の大量増殖法など、再生医学の研究事例を報告。6年間で20件の特許を出願した実績の一方で、長期的に研究に携わる人材が慢性的に不足している課題を訴えた。
 また、鳥越俊彦医学部教授は、「札医大がんワクチン開発プロジェクトにおける学・官・産連携~行政への期待を込めて~」と題して、札医大が癌ワクチン研究の世界的拠点として機能している点を紹介、研究から創薬に繋がるまでには、数百億円・十数年という莫大な時間と資金を必要とする点を挙げ、行政からの支援のほかに厚労省に対するネゴシエーション能力や、地元に品質の高い製造能力を有する製薬・試薬企業が必要である旨を訴えた。 ほかにも、田中敏明保険医療学部助教授は、「高齢者・障害者のための福祉機器開発~福祉支援工学の臨床応用への試み~」と題してバーチャルリアリティ技術を用いた各種リハビリテーション機器の開発事例と現在の研究内容を紹介し、地元企業の一層の参画を呼びかけ、石埜正穂知的財産管理室長は、応用技術分野としての医学研究は実用化に近い位置にあり、産業分野として成長の見込みが高いと説明した。
 札医大の知財や産学連携に対する関心は、ここ数年のうちに急速に高まってあり、活発な対外的活動を行っている。札医大に必要なものは、すでに“産業側からの連携”という段階に至っているようだ。
●札幌医科大学
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写真:
拝 映輔
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