エア・ドゥ1年前倒しで再生計画終了・4/1よりオーディオサービスを全便で開始/2005-04-01 |
3月31日、北海道国際航空(株)(エア・ドゥ、札幌市中央区本社、滝澤進代表取締役社長)は同社本社事務所内で記者会見を行い、当初2003年度~2005年度の3ヶ年を予定していた再生計画を1年前倒しし、2004年度中に再生債務の約3億9000万円の払い込みを終えたと発表した。 同社は当初、日本航空(JAL)に機体整備を委託し、ローコスト・キャリアを目指して1998年12月に就航した。以来、大手各航空会社の“対抗値下げ”や整備委託費の負担などによって経営が悪化、2002年6月に約60億円の負債をかかえ、民事再生法適用申請を行った。2002年12月には、資本金約72億円の全額減資や債務の約90%カット、全日空(ANA)とのコードシェアや予約システム"Able"の利用を含む業務提携などを骨子とした再生計画が確定している。 会見で同社の滝澤社長は、 「ANAと業務提携を行うことができたのが、利用客の利便性と輸送コストの削減を大幅に進めることにつながった。今後もいままで培った信頼関係を一層高め、お客様に対するサービスの向上と、ローコスト・キャリアとしての北海道の航空網充実に力を注ぎたい」 と語った。 2004年度の決算見通しは、中間決算発表時と同じく約9億円の経常利益を見込む。3月期の搭乗実績が良いため、やや上振れの可能性もあり、2005年度は函館線就航が通期で効果を及ぼすため、業績はさらに上向くとの見方だ。 2005年度の計画については、リースアップを迎える旭川線用の機材B-767-200型をB-737-400型に機種変更し、以後B-737を使用した新規路線の開拓を考えているという。“早いもの勝ち”を条件にした新規航空会社による羽田の発着枠獲得競争が激化しており、2005年度中に1~2路線の新規路線を就航させたい、としている。B-737型機1機を導入するコストは、約35億~45億円と言われているが、内部からの資金で賄う予定だ。 併せて4月1日よりエア・ドゥ全便でオーディオ・サービスが開始されることも発表された。チャンネル数はオリジナルの音楽系が2つに加え、NHKラジオ第1放送も聴取可能になる。 民事再生法適用申請以来、再生計画中の新規路線就航や機材導入など積極策をとり、スケールメリットを生むための努力を惜しまなかったエア・ドゥ。今期からは2期種体制という、過去のローコスト・キャリアが経験しなかった新たな課題にチャレンジしなければならない。 ●北海道国際航空(株)(エア・ドゥ) 〒060-0001 札幌市中央区北1西2 オーク札幌ビル Tel.011-252-5533 Fax.011-252-5580 http://www.airdo21.com/
写真:会見に臨む滝澤進社長(中央) 拝 映輔
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