総工費4670億円・完成2015年・5/22「北海道新幹線」起工式挙行/2005-05-23 |
5月22日、新幹線新函館駅の建設予定地となっている渡島管内大野町のJR渡島大野駅で、「北海道新幹線」の起工式が行われた。式典には北側一雄国土交通相、高橋はるみ道知事、三村申吾青森県知事のほか、JR北海道からは坂本眞一会長や小池明夫社長、国会議員や沿線自治体関係者など約150人が参加、今後10年にわたる工事の安全を祈願した。 北海道新幹線は、1970年の全国新幹線鉄道整備法制定、それにもとづく1973年の整備計画によって決定された路線であり、青森市―札幌市間に敷設する構想をもって進められた。 その後、オイルショック(1974年)や景気低迷(1982年)などで建設計画は凍結、1987年には国鉄が分割民営化され、新幹線整備のための財源負担は、国とJR、地方自治体による三者負担が原則となった。 1998年には新青森―札幌間のルートが小樽経由の「北回り」ルート約360km、奥津軽、木古内、新函館、新八雲、長万部、倶知安、新小樽、札幌の8駅となることなどが公表されたが、財源の確保が難しく、2000年に至って道は、新青森―札幌間の一体開業から新青森―新函館間を暫定開業し、札幌までの区間をその後延伸するという誘致方針に転換。今回建設されるのは、この新青森―新函館間149km、3駅の区間である。 この区間のうち、1988年に完成した青函トンネル(52km)、およびその前後の計82kmは、すでに新幹線規格で整備されており、海峡線として在来線と供用されているため、レールを外側に1本追加して三線式に変更するだけで済む。建設されるのは、残る68kmの区間。総工費は約4670億円となる。 地方負担はそのうち約3分の1に相当する約1550億円。道が約830億円を負担し、青森県が約720億円を負担する。建設期間は約10年を見込み、開業は2015年を予定しているが、北側国交相が起工式の挨拶で、 「出来る限り早く完成させることが重要。1、2年程度前倒しで工事を進めたい」 と語ったとおり、早めの開業が見込まれる。 今後は北海道新幹線の建設工事が本格化していくが、海峡線・江差線など平行在来線の経営分離では、JR貨物の北海道―本州間輸送の確保といった、従来の新幹線建設にない問題も抱えている。札幌までの延伸は総工費が約1兆円を超えると予想されており、そのうち約3300億円以上が道の負担となるなど、財源確保はさらに厳しい。 いままでは“夢”として語られてきた北海道新幹線。今後は慎重な見通しと精密な計画性が求められる“プロジェクト”として考えなければならない。
写真: 拝 映輔
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