6/1販売開始・北大発VB・GEL-Design社の商品化第1号・保冷剤付きのランチボックス「GEL-COOL」/2005-05-31 |
北大発VBの(有)GEL-Design(ジェル・デザイン)は、6月1日より同社の商品化第1号となる保冷剤付きランチボックス「GEL-COOL(ジェルクール)」を試験発売する。 素材はプラスチック製で容量は300ml(13cm×9cm×5cm)、重量約200gと、大きさとしては副食用に適している。フタの部分には、吸水性ポリマーを使用した保冷剤が一体成形されており、一晩冷凍庫などで冷やすと、約3時間にわたって食品をヒンヤリとした状態に保つことができる。食中毒予防の観点からは、雑菌の繁殖が促進される25℃以上の温度になるのをいかに遅らせるかが大切だが、「GEL-COOL」は、外気温30℃の場合で4時間以上の保冷効果があるという。また、専用の保冷バッグを併用するとこれらの効果は2倍近く高くなる。 同社が「GEL-COOL」の開発を始めるキッカケとなったのは、同社のスタッフと、札幌市内の子育て支援団体、「ままのぽっけ」のスタッフとが飲んだ席での何気ない会話から。 同社取締役最高開発責任者の附柴裕之氏は言う。 「夏場、家族のためにお弁当を作っている奥さんたちの最大の悩みは暑さだと言うんです。保冷パックを一緒に持たせるなどして工夫していても、どうしても利便性が高くない。一方で、温かい食べ物を保温するランチボックスは過去にもたくさんありますが、冷たい温度で保温するものはありませんでした。この話を聞いたとき、『保冷するランチボックス』は、当社がトライする絶好のアイテムだと直観したんです」 このアイデアが同社にもたらされたのは、今年3月下旬のこと。その後、開発プロジェクトを急速に立て、「ままのぽっけ」との共同作業で商品開発を進めた。わずか2ヶ月弱で競合品調査や先行技術調査を行い、試作・実用試験を繰り返して実用新案を出願。同時にランチボックス本体の製造業者を探し出して協力関係を構築し、イラストレーター、デザイナー、パッケージ業者との共同作業もこなした。 当初は、専用ウェブサイト(http://www.gel-cool.com/)によるインターネット通販を主体に展開し、並行して店頭販売先を模索する。今回の試験販売にはWEBマーケティング企業のWEBOSSと提携、今後はデザイナーを起用して札幌市のデザインコンペ「札幌スタイル」事業へのエントリーも視野に入れる。販売予定価格は約500円で、初年度販売目標は1万個。販売が軌道に乗り始めたら、容器のラインナップを増やし、徐々に高機能・高価格のランチボックスにも進出する考えだ。 再び附柴氏が言う。 「フルーツやサンドイッチ、サラダなど、冷たい方が美味しい食べ物はたくさんあります。ほかにもカルパッチョや刺身、寿司や冷麺など、いままでお弁当に持って行くことができなかったものが、この『GEL-COOL』で美味しく食べられるようになると思うんです」 同社では、市内の若手シェフによる「冷製お弁当メニュー」のリストアップも含め、お弁当の世界観まで変えようと考えている。 GEL-Designが開発中の機能性高分子は今回の商品には使われないが、現在北大理学部と共同研究を進めている吸水性樹脂はこうした保冷剤にも利用できる。先端的な技術開発と並行して、『GEL-COOL』のような一般消費者に直接提供できるような商品開発にも力を入れている。今後も矢継ぎ早に、既存の価値観では収まらない製品を生み出していく予定という。 ●(有)GEL-Design 〒001-0021 札幌市北区北21西12 北海道産学官協働センター(コラボほっかいどう) 2F Tel.&Fax.011-709-2260 http://www.gel-design.co.jp/
写真:上:GEL-COOL 写真:下:GEL-COOLの使用例 拝 映輔
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