発行:Funahasi.Com & 北海道経済産業新聞運営委員会
Last UP Date:2014-06-29
2/17・日独シンポジウム「環境と人にやさしい持続可能な建築と住まい」開催/2006-02-18
 2月17日、札幌市内の北大学術交流会館(北区北8西5)にて、日本におけるドイツ2005/2006事業の1つ、日独シンポジウム「環境と人にやさしい持続可能な建築と住まい」が開催された。
 講演は、ドイツ側からECOS社のヴィルヘルム・メームケン氏、環境共生住宅産業ネットワークのヨハンナ・シリング氏、フラウンホーファー建築物理研究所のクラウス・ゼーデルバウアー所長、イルブルック社のミヒャエル・ブリーハーン氏、フライブルグ市都市計画局長のヴルフ・ダーゼキング氏、ベルリン工科大教授のガブリエレ・ヴェンドルフ氏ら、日本側から道建設部建築指導課の福島明主幹、STV興発(株)代表取締役の北島壽一氏、北海学園大教授の佐々木博明氏によって行われた。
 基調講演として、メームケン氏が「環境と人にやさしい持続可能な建築と住まい」と題してドイツの環境政策やこれまでの取り組みを紹介、福島氏は「北海道における持続可能な建築と住まいに向けた推進政策の経緯と展望」と題して、北海道における環境共生型住宅開発の取り組みを披露した。
 次に行われたセッションAでは個別の建築物に対する研究が討議され、シリング氏による「日独交流の可能性―ドイツエコ建築の推進」として、ドイツ国内で開発されている環境負荷の低い建材・工法等が紹介され、ゼーデルバウアー氏が「健康な室内環境とエネルギー効率の優れた建築に対する現代建築物理学の寄与」として、それらの建材や工法が室内環境に対して果たす機能について説明を行った。ブリーハーン氏は「省エネに貢献する革新的シーリングシステム」として、自社で開発されたシーリング材等の特性を説明し、北嶋氏が「北海道の戸建住宅の現状と“ゼロエネルギー住宅”を目指して」として、自社が試みている省エネルギー住宅の施工例と研究の進捗度について語った。
 セッションBでは一般の建築物よりやや範囲を広くとり、都市計画の現状と工夫について発表され、ダーゼキング氏の「エコロジー都市開発のモデル都市フライブルグ市」として、フライブルグ市のヴォーバン地区およびゼルフェルド地区で進められている新住宅地区での取り組みが、ヴェンドルフ氏は「市民参加による、市民のためのまちづくり―ドイツの事例」として、都市計画に対する地域住民の市民参加を促す手法“グリーンファンド”の運用の実際が語られた。佐々木氏からは「これからの住まいと暖房設備」と題して、北海道内で地域住民によって実際に取り組まれている環境対策と課題について発表された。
 このシンポジウムには、建築関係者や行政関係者などから参加者200人強を数え、質疑応答ではドイツの環境対策関連製品に関する質問が多数寄せられた。また、会場1階ロビーには、ドイツ環境政策に関するポスター等が掲示され、参加者らが興味深げに見守っていた。
 積雪寒冷地である北海道では、冬季の暖房などに多量のエネルギー資源を必要としている。この点はドイツをはじめとした北方圏諸国でも同じ事情だ。少しでも生活を快適に、少しでもエネルギーを効率よくしていくためにも、先進事例を学ぶことは必要である。その意味でも今回のシンポジウムは、一定の成果をあげることが出来たものと思われる。
●NPO法人北海道新エネルギー普及促進協会(NEPA)
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写真:上:シンポジウムの様子 写真:下:左上、上段よりメームケン氏、大友詔雄NEPA理事長、シリング氏、福島氏、ゼーデルバウアー氏、北島氏、ヴェンドルフ氏、ダーゼキング氏、佐々木氏
拝 映輔
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