2/18第2回自由が丘教育の集い・ムーミンに学ぶフィンランドの教育/2006-02-19 |
2月18日、札幌市内の佐藤水産文化ホール(札幌市中央区北4西3)にて学習会・第2回自由が丘教育の集い「フィンランドの教育に学ぶ」が開催された。 フィンランドは、子供の自主性を極めて重要視した教育施策で知られており、OECDの統一学力テスト“PISA”では読解力、科学的リテラシーの分野で学力世界一、問題解決能力で世界第2位の座に輝いたことでも有名だ。 一方、“受験地獄”との異名をとった日本の教育システムは、たび重なる教育方針の見直しと猫の目のように変わる学習指導要領の所以もあってか、近年綻びを見せつつあり、いまや同テストの科学的リテラシーで2位、問題解決能力で4位、読解力に至っては14位という態。この差は一体どこから来るのか。 この問題にメスを入れ、日本の教育システムを少しでも良い方向に向けようと今回の学習会を企画したのが、NPO法人札幌自由が丘学園フリースクールである。 同NPOは、1993年に開講しており、フリースクール形式で運営された民間教育機関として道内でも最古の部類に属する。その後夕張キャンパスや月寒キャンパスを次々に開設し、現在は星槎国際高等学校札幌キャンパスとしての活動を含め、独自の教育理念と教育方法を持つ“オルタナティブ・スクール”としての立場を標榜している。 講演を行ったのは、北海道大学高等教育機能開発総合センターの池田文人助教授。同氏は知識工学を専攻しており、視察を行った経験を持つフィンランドの事情についても、 「フィンランドでは“教えない教育”を重視しており、ティーチングとラーニングを峻別している」「フィンランドでの生活を基盤にアプローチを行い、子供らが欲する知識は徹底的に深く紹介している」「他者を妨害しない限り自由な態度でクラスへのアプローチが許されている一方、グループ討議などを多用して問題発見能力、解決能力の涵養は注意深く行われている」 など、わかりやすく詳細な解説を行った。 フィンランドは、歴史的に周囲をロシア、スウェーデン、ドイツやデンマークといった強国に囲まれ、小国としての発展を余儀なくされてきた。国家の存亡に際して最も重要なカギとなるのが人材であり、同時に文化としての自国語である。そのため、語学教育と問題解決能力の強化に対しては国家的執念を持って取り組まれてきているのが事実である。 北海道を独立国として考えたとき、その自立を支えられるだけの人材をいまの教育システムで生み出すことができるのだろうか。今回の学習会は、自由が丘学園が期待する教育のあり方の目標を知ることも含め、きわめて示唆的な集会であったといえよう。 ●NPO法人札幌自由が丘学園フリースクール 〒060-0908 札幌市東区北8東1-3-10 Tel.011-743-1267 Fax.011-743-1268 http://www.sapporo-jg.com/
拝 映輔
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