発行:Funahasi.Com & 北海道経済産業新聞運営委員会
Last UP Date:2014-06-29
6/23・HASTIC、赤平市内に無重力落下実験塔を開設
/2006-06-23
NPO法人宇宙科学技術創成センター(HASTIC)
は、2004年から赤平市の
植松電機(株)
と共同で建設を進めていた無重力落下実験塔が完成、6月23日に関係者ら約100人が出席し、オープン式典が開催された。
落下実験塔の高さは55m。重量400kg、長さ2.5m、直径70cmのカプセルに実験機器を搭載し、落下させることで0.001Gの無重力状態を造る。カプセルの内部には外部と接しないもう一つのカプセルが組み込まれており、空気抵抗を受けない高品質の無重力状態を造りだせるよう工夫されている。
発生させられる無重力状態は3秒間。1日20回程度の落下が可能であり、1回の落下につき料金3万円で請け負うという。
上砂川町にあった地下無重力実験センター(JAMIC)では、10秒間の無重力発生に対して1回270万円の料金であり、1日3回の実験を限度としていた。比較すれば、今回完成した無重力落下塔は、実験回数で最大6.6倍、料金では1/90(秒あたりでは1/27)となった。
オープン式典に続き、北大(院)工学研究科の藤田修教授によって、無重力状態での電線被覆の燃えやすさを確認する最初の公開実験が行われ、詳細なデータが採取された。
今後はローコスト性、繰り返し実験が可能な利便性を活用して、国内研究者に対して独自の微小重力環境実験に道を開き、宇宙火災の安全性研究や流体科学等の基礎的研究といった基礎研究を可能にすると同時に、中高生らへの理科教育実験や、微小重力場を利用したカーボンナノチューブ生成、人工衛星の切り離し挙動の確認といった産業利用にも門戸を開く。
懇親会の席上で、ロゴマークの一般公募から最優秀として選ばれた愛称やロゴマークが発表され、愛称は全国583件の応募の中から千葉県流山市在住の有安忠男氏が考案した「コスモトーレ」(COSMOTORRE)に、ロゴマークは同じく全国81件の応募の中から兵庫県宍粟市在住の小柴雅樹氏が考案したマークにそれぞれ決定した。
利用申し込み方法は、HASTIC事務所宛に連絡するか、ウェブサイト内の申し込みページ(
http://www.hastic.jp/droptower/droptower_32.htm
)より必要事項を記入して行う。
●NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)
〒060-0819
札幌市北区北19西11 JST科学技術活用プラザ北海道2F
Tel.011-708-1617
Fax.011-708-1185
http://www.hastic.jp/
●HASTIC 宇宙工学研究所赤平実験場 50m落下実験塔(COSMOTORRE)
((株)植松電機内、赤平市共和町230-50)
写真:上:テープカットの様子、中左:落下実験塔の様子、中右:長さ2.5mの落下用カプセル、下:COSMOTORREのロゴマーク
拝 映輔
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