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Last UP Date:2014-06-29
エア・ドゥ2004年3月期決算・経常利益通期初の黒字化/2004-06-04
 2004年6月4日、北海道国際航空(エア・ドゥ、札幌市中央区本社・滝澤進代表取締役社長・資本金23億2500万円)は、2004年3月期の決算結果を発表した。
 2003年4月1日~2004年3月31日の輸送実績は79万3460人(前期比+9.8%)、平均搭乗率は全体で71.2%(前期比+6.0%)。売上高は前期比63.2%増の185億4400万円、経常利益は14億7600万円と、開業以来通期で初めての黒字化を果たした。通期の経常黒字達成は、新規参入航空会社を通じて初の快挙だ。
 純利益は航空機材整備引当金の過年度分10億3300万円を特別損失として計上したため、4億3000万円となった。
 同社は、当初3年間としていた再生計画を1年繰り上げたため、今年度が再生計画の“最終年度”。将来の安定経営に向けて“第一歩”を踏み出した手応えを感じさせる数字を記したことになる。
 増収増益要因としては、全日空(ANA)が機軸の再生計画をもとに経営基盤を強化できたこと、また、同社が掲げる“安くて便利な航空会社”というキャッチフレーズに多くの理解と支援を得たこと。さらに7/18旭川線就航によるスケールメリットの発生もあった。
 2004年度の予想については、平均搭乗率69.6%(新千歳線73.9%・旭川線56.4%)を見込み、売上高は当期比13%増の196億6100万円、経常利益5億7100万円を見込む。
 これは、搭乗率を手堅い予想にとどめる一方、副操縦士の自社養成費用や羽田空港第2ターミナルビル開業に伴う移転費用など、コスト増要因を加味した結果だ。
 同社の滝澤社長は、
「まず、短期的には再生計画を必ず達成することが課題。中長期的には、北海道の地域振興に寄与する意味でも首都圏と道内の航空ネットワークを充実させたい。営業力を充実させるとともに、地域の人びとと協調しながら取り組んでいきたい」
 と中長期の展望を明らかにしている。 2005年度中にリース期限が到来する3号機(B767-200型機)の後継機種には、「当社は“北海道の翼”として首都圏と道内各地方を航路で結ぶのが使命」(同社滝澤社長)という将来構想に合わせ、B737-400型機を選定したことも発表した。
 来年、いよいよ羽田空港の発着枠再配分が始まる。
 滝澤社長も会見の席上で、
「当社がスケールメリットを享受するためには全体で20~30枠ほど必要だが、こればかりはどうなるかわからない。まずは現状の10枠に加え、3~5枠ずつ段階的に増枠されるのではないかと考えている」 と語っている。
 大手航空会社と新規航空会社は発着枠再配分の予備交渉となる“スロット懇親会”でも厳しく対立しているという。同社のさらなる安定経営を目指して、これから中央での攻防が始まる。
写真:6月4日に行われた決算発表記者会見の様子.
拝 映輔
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