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Last UP Date:2014-06-29
北海道国際航空(AIRDO)第10期株主総会開催、新会長に吉澤慶信道前副知事/2006-06-29
 6月28日、北海道国際航空(株)(エア・ドゥ(AIRDO)、札幌市中央区本社、滝沢進代表取締役社長)の第10期定時株主総会が、札幌市内の札幌全日空ホテル(札幌市中央区)で行われた。
 同社の2006年3月期決算は、売上高が前期比32.8%増の295億5,300万円、経常利益が前期比29.4%増の21億7,000万円。純利益も前期比25.2%増の22億5,500万円と、過去最高水準となった。
 総会では、今期の配当を無配とすること、また、今後の経営方針として、2006年7月から2013年までに帯広―羽田線に新規路線の就航を目論んでいることや、今期の決算見込みが、今年5月から新千歳―羽田線に参入したスカイマーク・エアラインズ(株)との価格競争の激化によって、経常利益2億円、純利益1,700万円に留まると予想されることなどが説明され、会長が前小樽市長の新谷昌明氏から道副知事経験者である吉澤慶信氏へと交代すること、新たに取締役として雑賀誠一氏(ANA)、水谷浩氏(北洋銀行)が就任することなどが了承された。
 会場には株主ら約26人が出席し、「今期も配当はないのか」「そろそろ上場の検討をしてほしい」など、さまざまな意見が述べられたが、同社にとって最も重大な課題は、持株比率96.07%に達する企業再生ファンドの存在だ。
 企業再生ファンドは、同社が民事再生計画開始の時点で再建のために組成されたものであり、全日本空輸(株)(ANA)や札幌北洋グループ石屋製菓(株)など各企業から10億円、残る10億円を日本政策投資銀行(DBJ)からの出資によって成立している。このファンドの解散期限が2007年に迫っているのだ。
 同ファンドには3年間の延長条項があり、最長2010年まで存続することが可能だが、最終的に解散した場合には、DBJの株式持分10億円分が市中に放出される見込みだ。現状のエア・ドゥの1株あたり純資産を勘案すれば、この10億円分の株式は、約30億円相当の価値を持つことになる。つまり、安定株主を確保したいエア・ドゥにとっては、今後1年、最長でも4年のうちに、道内企業にこの30億円分の株式引き取りを要請しなければならないわけだ。
 エア・ドゥ株についてはスカイマーク社も株主周辺に打診を行うなど株式取得に意欲を見せており、「北海道の翼」としての独自性を確保するためには最も難しい局面であるとも言える。
 状況打開の希望があるとすれば、新会長に就任した吉澤慶信氏の存在だ。
 吉澤氏は1999年、経営破たんした苫小牧東部開発(株)の再建を託され、道経済部次長から(株)苫東社長として赴任、任期の2001年まで黒字を続けた“凄腕経営者”でもある。
 今回のエア・ドゥ会長就任についても、記者会見の席上で二度にわたり、
「経済界からの強い推挙があった」
 と答えていたことからも、吉澤氏に対する経済界の期待感・信頼の強さは見て取れる。
 エア・ドゥの企業風土を守りつつ、企業再生ファンドの着陸地点を誘導する“冴えたやり方”をどう見つけ出すか。吉澤氏の今後の活動に注目したい。
写真:記者会見の様子、左より滝沢進氏、吉澤慶信氏、新谷昌明氏
拝 映輔
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