発行:Funahasi.Com & 北海道経済産業新聞運営委員会
Last UP Date:2014-06-29
2006・12/16宇宙開発ベンチャー「(株)カムイスペースワークス」赤平に設立/2006-12-17
 12月16日(土)、赤平市内の(株)植松電機社内にて、道産小型ハイブリッドロケットの「CAMUIロケット」を開発し、これらを利用して無重力環境の実験を請け負うベンチャー企業「(株)カムイスペースワークス」(CSW)の設立記者会見が行われた。
 本社は赤平市内で資本金は300万円。代表取締役を務める(株)植松電機の植松努専務取締役と、CAMUIロケットの発明者であり、北海道大学でCAMUIロケットの研究開発を行っている大学院工学研究科の永田晴紀教授が50%ずつ出資した。
 業務内容は、宇宙関連機器及び実験装置の研究開発及び製作販売、宇宙関連の実験請負、教育教材の研究開発、宇宙関連機器のリース及び修理整備と多岐にわたる。
 同社はNPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)の協力のもとに、CAMUIロケットによる無重力実験の請負などを展開し、より小規模の実験には今後導入する小型ラジコン機や(株)植松電機の無重力落下搭(コスモトーレ)を用いて対応するという。同NPOの伊藤献一副理事長は、
「HASTICにとってこの会社は、2004年11月に設立された北海道衛星(株)(札幌市手稲区本社、佐鳥新代表取締役社長、資本金400万円)に続いて2社目。NPOの設立目的には産業創造も謳われているため、我々としても積極的に支援し、協調していきたい」と感想を述べた。
 永田教授は会見の席上、
「新技術の開発などは得意であっても、生まれた技術を蓄積し、工夫を凝らして改善していくことに大学は不得手。新会社を核にCAMUIロケットの技術を集約・蓄積し、熟成させていくことが必要と考えました」
 と語り、一方の植松代表取締役は、
「現代は夢が就職情報誌の中にしか存在しない時代だと思います。そういった選択肢の中からではなく、自ら考え、工夫することで夢を実現するような会社になれば良いと考えていますし、そういう人を数多く育てたい」
 と応じて、新会社に込めた期待の大きさを滲ませた。
 CSWとしての初仕事は、公立はこだて未来大学からの依頼を受けて行われる。
 12月23日に大樹町で予定されている、CAMUI-80P型機によるドリンク缶大の模擬衛星「CANSAT」の飛行試験だ。その後も室蘭工大との共同研究開発など業務は多いが、同社の売上目標、収益目標などはともに未定で、「潰れない程度であればOKです」(植松氏)とのこと。
 北海道大学としては38社目の大学発ベンチャー企業でもある同社には、一企業の売上の多寡や成否を超えた期待がかかっている。
●(株)カムイスペースワークス
 〒079-1101
 赤平市共和町230-50
 Tel.0125-34-4133
写真:CSW社のキャッチコピーを手にする永田晴紀教授(左)と植松努社長(右)
拝 映輔
ニュース一覧
インタビュー一覧
コラム一覧
連載小説一覧
TOPに戻る

Copyright© 2004-2024 Funahasi.Com & 北海道経済産業新聞運営委員会