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Last UP Date:2014-06-29
[Biz@North View]君は,大根キープを知っているか? サービスの種を探そう/2007-01-28
 札幌・中央卸売市場の場外市場脇駐車場の小屋に,昨年も数千本の大根が干されていたことをあなたはご存知だろうか?漬物用の大根をキープして客の代わりに干すサービスなのだ。2000年から始まって,これが今,大人気なのだという。

 漬物のイメージどおり,利用者の大半は高齢者だ。ところが,都市化の進む札幌だと,マンション住まいで干す場所がなかったり、美観の問題だったり,と何かと大根を干すことが難しくなっているのだ。
 私たちは,漬物を漬けにくくなったのだから,買ってくればイイ,若しくは,買って来るようになったのだろうと思いがちだ。だが,彼らは,依然として漬物を食べたいのだ。いや,それ以上に,自分の漬物を食べて喜んでくれる存在が何より嬉しいのだ。だからこそ,時間と手間をかけて自分の味をつくる。そして「おばあちゃんの漬物は美味しい!」と言われ,感激するのだ。

 この場合の漬物とは,自己表現や自分自身の存在の証しである。これが認められている以上,止めるわけにはいかないのだ。そのことに気付き,「大根キープ」サービスを始めた永野商店の永野博行社長はエラい!始めは,宅配サービス+αだったのかも知れない。漬物を漬けるまでの前作業がしにくくなった現状で,付加価値のついた漬物を店頭に並べ客に勧めるということよりも,客の根源ニーズを掘り下げて考えたことが大きい。客の細かいニーズに合わせ,つい,漬物のバリエーションを拡げて「対応」してしまいがちだが,それは余計なお世話というものなのだった。

 既存産業のサービス化がいわれて久しい。八百屋は大根キープ業に進出した。客は大根をどうしたいのか,に関心を持ち,サービスの種を見つけたのだ。さぁ,僕らも探そう。それは,一見,キープした人の名札がついた大根が所狭しとぶら下げるだけのことかも知れないが,お客様にとって,かけがえのないサービスのはずだ。

Kazgeo
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