日曜日たまたまのんびり家族でアイスクリームを食べながらニュース番組を眺めていたところ、JNN報道特集で、北海道物産展の実態を報道していた。 報道の内容は、どちらかといえば偽業者と百貨店、後援等をする道庁との、やり取りなので、リンク先を拝見して頂くとして、見ながら思ったのは地域ブランドとはいったいなんなのかということだ。 本来、地域ブランドというのは、域外に対しての機能としては、その地域に富をもたらすものであるべきだろう。そういう観点で見た場合、やはり「北海道」というブランドは抜群のものを持っているといえる。 道外に住んでみて、北海道という名のブランド力については、抜群のものであることを実感する。私の住む愛知県での物産一つ取っても、大は各百貨店のものから、小は地域商店の謝恩セールやら、お祭りのジャガイモ、タマネギ配布まで、集客の目玉として非常に有効だ。 しかし他方でこのような偽業者がなぜ横行するのかといえば、番組中では偽業者の巧みさと百貨店側の経費上の話ばかりだったが、むしろ北海道内の実際の製品群と、ブランドとして期待されているもののギャップが大きいのも一つの原因ではないだろうか? 期待するもの-うに、かに、いくら、バターにチーズに海産物珍味-を単純に持ってきてくれることを望む百貨店側(もしくは、それを望む消費者)にも問題があるかもしれないが、期待以上のものを用意し続ける努力や、期待に対する適切なイメージ構築の努力が欠けてきた面は否めないだろう。業者の倫理を追求するのは当然だが、それがはびこるのにはそれなりの理由があるものだ。 結局、北海道の名前を冠して、売れていくのは他地域の物産。で、そういう販売業者自身も、本社は北海道外。北海道という名のブランドは、強すぎるが故に北海道に十分な富を落していない。そういう意味では、北海道というブランドは「強いが失格」といわざるを得ないのではないだろうか。ちなみに、食べていたアイスクリームはハーゲンダッツの抹茶。ブランドは海外のものだが、この抹茶は、日本ではあまりブランド力のない愛知県西尾産独占。日経ビジネスでも一度話題になっている企業なので、ビジネスマンなら知っているかもしれないが、西尾のあいやという企業のものだ。 宇治やら静岡に圧倒的に負けているし、他人のブランドで最終的な物を売っている。しかしながら、明らかに愛知県西尾市というところにきちんと富を落している。 北海道ブランド、地域ブランドの価値というのはいったいなんなのか。一度真剣に考えてみるべきだろう。
舟橋正浩
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