高専大学化のキーパーソン、札幌市立大学初代学長・川崎和男氏記者会見/2004-06-30 |
2006年の大学化に向け作業が進んでいる札幌市立高等専門学校。大学化が果たされれば、市立高専は“札幌市立大学”へと生まれ変わる。 その札幌市立大学の学長予定者に推されているのが、名古屋市立大学教授の川崎和男教授。川崎氏は、1949年、福井県生まれで、デザインディレクターとして幅広く活躍しながら医学博士号も取得している異色の人材だ。 新設される大学はデザイン系の高等教育を担当する市立高専と、医療・福祉系の教育を行っている市立高等看護学院(高看)の機能を統合し、2学科体制でスタートするというから、札幌市にとってはまさに“うってつけ”の人物。「これだけの人物が何故、札幌に」という感覚に陥るのもうなづける。 川崎氏は、阪大や名古屋市立大などに持っている研究室も存続し、東大先端研と共同で行われている人工心臓開発プロジェクトなども継続すると語り、開設される新大学について、「北海道から提案できるデザインをしっかり提示できる大学にしたい。私は“かたち”(デザイン)と“きもち”(看護)、そして“いのち”について考える場と捉えており、それらについて学識、知識、良識や見識を注ぐことを考えている。それらについて誠実に考えることができるデザイナーや看護師を輩出したい」 と述べた。 また、06年からは札幌へ移住することも表明。川崎氏は、 「名古屋市立大の学生から、残ってくれと言われたことが一番辛かったが、学長からは札幌に輝く大学を作りなさいと言われてきた。私自身も札幌市民となって頑張りたい」 と決意を述べた。 公立大にも大学法人化の波が押し寄せており、開設される札幌市立大学は、70余ある公立大のうち“最後の市立大”ではないかと囁かれている。理想の実現には並々ならぬ努力も必要だ。 川崎学長の登場で「これで札幌のデザインが変わる」と涙ぐんだ高専生がいたというが、ここは上田文雄札幌市長が言う通り、「これで札幌の街並みが変わる」ことを期待したい。この“森の中に佇む小さな大学”は、市民に開かれ、産業の力になる大学を標榜しているのだから。
写真:上田文雄札幌市長(左)と川崎和男学長予定者(右) 拝 映輔
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