酪農家に朗報・給餌を自動化・北原電牧「MAXフィーダー」/2004-07-18 |
北原電牧(株)(札幌市東区本社、北原慎一郎取締役社長、資本金6000万円)が開発・製造している自動給餌システム「MAXフィーダー」が、道内酪農家の注目を集めている。 牧草(サイレージ)を投入するストッカーおよび周辺設備と、サイレージタンクと配合飼料タンクを備えて天井に設置したレール上を移動する給餌機本体からなり、1日に1度ストッカーにサイレージを投入しておけば、1日最大12回、設定された時刻に無人で自動給餌する。システムはITで管理することができ、各頭個別に給餌量を調整でき、また遠隔操作や給餌量の自動計算などを行うオプションも設定できる。給餌機は本体の容量に応じてMAX2000(2000l)、MAX1600(1600l・低床式)、MAXミニ800(800l)、MAXミニ400(400l)の現在4シリーズが販売されている。MAXミニシリーズの給餌可能頭数は、乳牛約50~70頭。重量計量タイプと排出時間から推定する無計量タイプがあり、空になるとサイレージを自動搭載し、給餌を続ける。MAXシリーズの給餌可能頭数は約150頭。重量計量タイプで、正確に調整された飼料を給餌する。価格はMAX2000でシステム1式約1200万円。 関係者の人気を呼んでいるのは、このシステムを使えば、2人で1日4~5時間かかっていた給餌作業が15分程度に短縮されることが最大の理由。なにしろ、酪農経営の根幹に関わる給餌作業は、生産効率にも影響を与え、毎日休むことなく続けなければならない。「酪農家には休日がない」という言葉はここから来ており、状況は道内も本州も変わらない。酪農家にとって、給餌自動化は長年の夢でもあり、実際に導入した酪農家からは、「生活が一変した」というレポートが数多く寄せられているという。 同社は、1990年代に配合飼料の自動給餌機を開発・商品化しており、そのときサイレージの自動給餌機開発に1度取り組んだことがある。当時は技術上の難点があり、サイレージが給餌機に巻き込むことと、タンクの大型化が必須だったことの2点から、開発を一時中止していた。 その後の聞き取り調査でタンクの規模には実用上問題がないことがわかり、排出機構に工夫を重ねることで、2000年に実用化を果たした。初年度納入実績は5台、以後2001年に9台、2002年に15台、2003年には30台と着実に納入実績を伸ばし、今期の納入は計画値で50台。このうち約10台が道外の牧場に出荷される。 北原慎一郎社長は言う。 「家族経営の牧場は平均約50頭の乳牛を飼育しているが、給餌等の問題で外出も出来ず、子供がいても一緒に食事すら出来ないという状態で、閉塞感が漂っていた。構造的な問題とばかり思っていたが、MAXシリーズを開発して、じつは技術的に解決できる課題だったことに気付いた。実際に過酷な労働から開放できれば、後継者も現れる。酪農に夢が持てるようになったとお客様に言って頂けるのが一番嬉しい」 MAXミニシリーズは2003年度、メードイン札幌のグランプリを受賞。全国規模で農業資機材を販売するオリオン機械も販売代理店となっている。 ●北原電牧(株) 札幌市東区北19東4-2-10 Tel.011-711-6136 Fax.011-741-7253 http://www.kitaharadenboku.com/ ●オリオン機械 http://www.orionkikai.co.jp/
写真:牧場で稼動中のMAXフィーダー(MAX2000) 拝 映輔
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