三次元化・ボーダレス化―CVS競争はどこまで進む(上)/2004-07-26 |
7月23日、札幌地下街オーロラタウンにコンビニエンスストア(CVS)チェーン・ローソンが出店した。続いて8月5日、日本郵政公社北海道支社のビル内にもポスタルローソンが出店。従来の路面展開から“三次元”へと、道内CVSの店舗戦略が変わり始めた。 ****** 店舗展開は三次元化
現在、道内のCVS店舗は約2400店舗弱、売上高は年間約4000億円強で、ここ数年ほぼ横ばいの状態にある。 7月23日に開店した札幌地下街オーロラタウンの「ローソン・オーロラタウン店」は、店舗面積24坪、アイテム数約2000点を揃える。店舗は前さっぽろ地下街商店会の会長企業である長澤倉庫がフランチャイズ運営、従来より営業していたカフェ・ナガサワは、店舗面積を縮小して営業する。8月5日、日本郵政公社北海道支社(札幌市中央区北2西4)に開店する「ポスタルローソン・道庁赤れんが前店」(40坪・約2800アイテム)は、東京、横浜に次ぐ3番目の郵便施設内店舗。道内では山鼻郵便局に生花店が入居している前例があるが、局内ではなく事務施設に入居するのは全国的にも例がない。ローソンの路面店以外の出店実績としては、札幌駅南口地下街アピアの中央に昨年10月出店し、大幅な集客を獲得したという実績があり、今回の出店攻勢は、いわば“第二陣”の格好だ。 「ローソンの新浪剛史社長が就任して以降、郵便局内店舗のポスタルローソンや自然派食品店舗のナチュラルローソン、病院内店舗のホスピタルローソンなど、新たな店舗形態に積極的にチャレンジしている。CVSの市場自体は飽和していると言われているが、新たな市場を開拓しようという意図が読み取れると同時に、この状態の中で組織の士気を高めるためにも非常に有効だ」(CVSチェーン幹部) じつは路面店以外の出店例は、ローソンだけに限らない。 道内最大手CVSチェーンの(株)セイコーマートは、第一合同庁舎地下、第三合同庁舎地下の売店運営をそれぞれ受託、セイコーマート店舗として営業を始めている。また、セブン・イレブン-ジャパンも札幌駅の複合商業施設ステラプレイス地下に出店、サンクスも札幌駅地下に店舗を構える。 CVS関係者は言う。 「道内でも路面でのCVS店舗展開は限界に達しつつある。各チェーンとも銀行ATM導入などで集客を図っているが、こちらは“攻めの策”というより利便性の低下を嫌っての“守りの策”に近い状態。店舗売上もほぼ頭打ちの状態であり、今後は店舗展開も“三次元”で考えていかなければ難しい状況にある」 平面で飽和した店舗を三次元化する試みは、果たしてうまくいくのか。
写真:上:7/24開業したローソンオーロラタウン店/写真:下:記者会見に臨む上田誠也日本郵政公社道支社長(左)と安平尚史北海道ローソン支社長(右) 拝 映輔
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