三次元化・ボーダレス化―CVS競争はどこまで進む(下)/2004-07-27 |
7月23日、札幌地下街オーロラタウンにCVSチェーン・ローソンが出店した。続いて8月5日、日本郵政公社北海道支社のビル内にもポスタルローソンが出店。従来の路面展開から“三次元”へと、道内CVSの店舗戦略が変わり始めた。 ****** ATM導入も“防衛策”に過ぎない
銀行ATM導入やポイントカードシステムなどの導入は、道内各CVSチェーンで着々と進んでいる。 セイコーマートでは、2000年にセイコーマートクラブカードを導入、2004年には、それまで実験的に行っていた銀行ATMの本格導入を決めた。セブン・イレブン-ジャパンでも2001年にポイントカードシステムを道内地域限定で導入、銀行ATMもセイコーマートと前後して導入している。ローソンでは、情報端末「Loppi」を機軸にしたクレジット機能付ポイントカードシステム「ローソンパス」を2002年にスタートしている。銀行ATMも今年4月、42店舗に設置した。また、サンクスは電子マネー「エディ」による決済システムの導入を図っている。 だが、前述した通り、これらの政策は他のCVSチェーンを横目で睨みながら行ってきた“防衛策”。直接CVS店舗の集客力を強化するというより、既存の集客力を弱体化させないためのツールとして使われている状態だ。 セイコーマートでは7月23日、同社の政策説明会を札幌市内のホテルで開催した。その中で赤尾昭彦社長は、イートインシステム「HotChef」の充実、年内をメドにクレジット決済機能を持つポイントカードへの切り替え、および2~3年以内に大型サイズのCVS店舗出店などの将来戦略を明らかにしている。 「CVSチェーンはCVS同士の競争と同時に、酒販自由化などで規制緩和が進んだスーパー(SM)やドラッグストア(DS)国内他業態との競争と、さらに国内進出を狙うテスコグループなど、予想される海外流通の進出との競争など、三つの局面を持ってきている。セイコーマートは地域密着戦略を取り、都市型CVSというよりむしろ“地域のミニスーパー”としての地位を確立してきた。今後は、業態の壁を超えて来る再編圧力に耐えるためにも、ポイントカードにより得られる情報をよりよく分析し、的確な政策を打ち出さなければならない」(セイコーマート・赤尾社長) どうやらCVSチェーン熾烈な争いは、新たな段階へと突入しそうだ。
写真:政策説明会で講演する赤尾昭彦セイコーマート代表取締役社長 拝 映輔
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