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Last UP Date:2014-06-29
小樽第2の“屋台村”―2005年4月開業「小樽出抜小路」の概要固まる/2004-08-06
 2005年4月、ゴールデンウィーク前の開業を予定している小樽第2の屋台村、“小樽出抜小路”の記者発表が8月5日、小樽市役所で行われた。
 会見には、事業主体となる石屋製菓(株)の石水勲社長や、運営を統括する小樽出抜小路開発準備室の谷澤正彦氏、施設設計にあたった街制作室(株)の国分裕正社長ら5人が出席、事業のスケジュールや内容を説明した。
 約600平方mの敷地に、飲食店22店舗(平均面積約13平方m)を配置し、出店者は一般公募で決める。建物2階部分は回廊になっており、小樽の歴史などのパネル展示を行う。また、敷地内に“火の見櫓”を設置、運河の景観を楽しむ展望施設として利用するという。集客は年間約15万人を目標としている。
 小樽出抜小路の“出抜小路”とは、色内大通より一本海側、臨港線より一本山の手にある小路の古い呼び名であるという。計画地の小樽市色内1丁目・銀行協会跡地も、この小路に面している。運河から荷を入れ、この小路から運び出していたことから、この名がついたという説もある。
 いずれにせよ、いまはほとんど使われていない名だが、
「出抜小路は商都・小樽の繁栄を身近に見て来た場所であり、名前でもある。北前船や洋船が出入りした明治開拓期の小樽の活気を、石造・レンガ造に瓦屋根を織り混ぜた“和洋折衷”の街並みで再現し、観光客以上に小樽市民に愛される場所にしたい」
 と、石水勲社長は命名の理由を語る。
 事業コンセプトは、「地産、地消、地人」。小樽や後志地方の地場農水産物を再認識する場として、地場産の食品を主体的に提供し、北海道の伝統的な調理法による料理を安価に提供するという。あくまで小樽市民を主要顧客に据え、市民限定の利用特典もさまざまに考えるという。
 小樽にはすでに、屋台村第1号として“レンガ横丁”(稲穂1丁目)が営業しているが、「人力車を稲穂―出抜小路間で運行するなど、いろいろアイデアを練っている」(開発準備室)としており、競争より連携を模索する考えだ。
 出店募集については、9月15日(水)14:00より旧三井住友銀行小樽支店で出店者募集説明会を開催する。出店費用は営業保証金80万~200万円、賃貸料5万~20万円となっており、賃借店舗の席数に応じて異なる。また、出店費用の支援策として貸出限度額200万円、返済期間2年間、金利1%の“出抜基金”も用意しており、そちらの相談も同日より受けつける。
 その後、オーディションや選考審査を経て、11月中には出店者を決定する予定だ。なお、説明会場には、屋台村のモデルルームを展示し、出店者によく出店プランを練ってもらう予定という。
 小樽市街の構造として、観光客は運河に集まり山の手に来ず、市民は運河に降りて来ないという問題があるという。そのために、運河周辺は夜間、人通りの極めて少ない寂れた印象ができあがる。
 小樽の街が大好きという石水社長は、
「屋台村というと店づくりという印象になるが、やっている作業は実質的にマチづくりに近かった」
 と言う。
 運河沿いに出来るこの屋台村の“人間臭さ”が、観光客と市民をつなぐ架け橋となれば、この事業が小樽の街づくりにも一石を投じることとなる。
●小樽出抜小路開発準備室
 小樽市色内1-3-10 旧三井住友銀行小樽支店
 Tel.0134-21-1483(土日祝休・10:00~16:00)
 Fax.0134-21-1493
 http://www.otaru-denuki.jp/
写真:記者発表の様子。写真:下:小樽出抜小路の模型
拝 映輔
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