写真を樹脂プレートに加工する-写真化学研究所ディクル工房/2004-02-10 |
デジタル写真などを樹脂プレートに加工するサービスが、北海道旭川市内にある。2002年4月に設立した、写真化学研究所ディクル工房がそれだ。 写真を撮る、作る、鑑賞するという三つの喜びのうち、3番目の“鑑賞する喜び”に自由を与えるディクル工房。その代表を務める清水次幸さん(61)は、樹脂転写技術確立のキッカケと、工房設立の経緯をこう語ってくれた。 「写真を眺めていたかったんです。風呂場なんかは最高です。ぜひ写真を持って行って、風呂場で心行くまで写真を眺めていたかった」。 清水さんは1942年3月9日、留萌市生まれ。1960年旭川工業高を卒業後、同校の技官として務めた。81年、早稲田大文学部哲学科を卒業と同時に教諭に就任。爾来02年3月までの21年間生徒の指導に務め、2002年3月に定年退職し、同年4月に工房を設立した。銀塩写真のプレート転写技術を開発したのは1992年。その後、研究開発を重ね、デジタル写真の樹脂固定技術へと昇華させた。 この技術に関する知的所有権としては、特許2本、実用新案1本を取得済みだ。所属する同校工業クラブで実用化試験を重ねてきたため、当時在籍していた工業クラブ会員の生徒も、リストに名を連ねている。今後の研究課題はプレートの大型化。最大2m×1.5mサイズまで転写可能だが、それ以上のサイズに対応する方法を、現在模索している。 原理は簡単だ。 まず①デジタル画像をプリンタから出力する。その後②重合剤を塗布し、樹脂プレートに定置させ、③圧力をかけて固着させる。④重合剤によってインクが樹脂上に固定されれば完成となる。 樹脂の種類は問わない。インクが顔料系のものであれば、「少なくとも100年は品質保持可能。劣化が少ないのも強みなんです」(清水さん)。 価格は1平方cmあたり約20円。B6判相当(ハガキ大)で約5000円の換算となる。問い合わせ・申し込み等は、写真化学研究所ディクル工房まで。 ●写真化学研究所ディクル工房 Tel.& Fax.0166-36-3225 URL: http://www1.odn.ne.jp/aad05660/
拝 映輔
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