こんぶは、私たちの暮らす北海道の沿岸のいたるところで豊かな“こんぶの森”を形づくっています。そしてこれらの“こんぶの森”は、魚たちをはじめとする海洋生物にとって「生命の拠り所」となるなど海のなかで果たす役割は多く、また、“こんぶの森”と呼ぶように、まさに陸上の樹木と同じように海中の樹木しての役割も大きく、地球環境へ大変な影響を及ぼします。
他方、こんぶは古くから北海道の主要な産物として生産されてきました。製品は日本列島各地、或いはアジアを初めとした世界各地に運ばれてその土地の人々に愛され、さまざまな文化を生み育ててきました。寒海に生育するこんぶは日本人が生活していくうえで欠かせない資源です。
しかし今日、“こんぶの森”は各地で衰退し、生産量も減少傾向にあります。その要因としては、人の手による環境の悪化による影響も大きく、そこには日本人、とくに主産地である北海道の人びとによる、北海道に生育するこんぶに対する感謝や理解が薄れてきていることも少なからず関係しているでしょう。
特定非営利活動法人北海道こんぶ研究会は、北海道をはじめ、日本の人びとの暮らしや文化を育んできたこんぶの恵みに感謝し、こんぶとそれをとりまく環境や文化の理解に努め、守り、改善していくことを通じて、こんぶがもたらしてくれる恵みを育んでいくことを目指し、コンブに関連する研究・教育・交流等に関する事業を行い、海洋保全と各種地域貢献、自然科学の振興に寄与していきます。
北海道こんぶ研究会 代表
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